Classici giapponesi con furigana
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おんがくどけい
性に眼覚める頃
室生 犀星
Leggi 性に眼覚める頃 (おんがくどけい) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.495 caratteri · 22 schermate
しかし私のいうのは、そのブランコをしくじり、空中から網へ落ちてゆくときの、そのなめらかさだった。人間が空間に浮いているときの、わけても重い花のようなからだが鈍に、なるままに辷って落ちるときに、わたしは、ながれている身体じゅうの線が、ただの線ではなく凡て美しいゆるい水のように見えた。いちど網へ落ちたあとで、網は張り工合でマテニのからだをハネ返した。そのときの円状をえがいた自然なからだは、ときにはまるいゴム玉のように飛び上った。そういう失敗のあとでは彼女は真赤な顔をし、そして再た遣りなおしたりした。わたしは左ういう失敗のあるごとに、マテニを好ましくかんじた。それは芸人によくみる高慢さもなければ澄ましたようなところもなかった。帝政時代にはどこかの娘として生い立ってきたような温雅な、ひとのよい、おっとりした顔立ちをしていた。わたしは最後に彼女がそのよく肥えたからだをとかげのように、ブランコの上に潜らせ、黒い百合のように捩じらせたときに、全くふいにさきのブランコに飛び乗ったときに、深く嘆賞した。しかもそのブランコを離れたときの、きれのよい足さきがくの字なりに、空をよぎったときに、なんだか滴の垂れる花をみたような気がしたのだ。