Classici giapponesi con furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Leggi 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.034 caratteri · 142 schermate
酔うような不思議な香気は、その花からやって来るのだった。この沼沢地全体が蘇鉄花の媚薬の瘴気に包み込まれ、愛の夢の中でうっとり昏睡している。……いったん、その中へ入り込んだら、玄妙な花の香りに陶酔して、そのまま眠るように死んでしまうという、印度のジャクダブール河の上流にある Camarayana ――「迦摩の閨房」の陶酔境は、ちょうどこのようなものだろうと思われるのだった。
誰も彼も、汗になってとけてしまいそうだった。熱気はおそろしく高く、どんなに勇気を出しても、五分とはつづけて漕がれなかった。そのうえ、同じような羊歯の岸をもった流れが迷路のように右にも左にもあって、磁石を見ては幾度もはじめからやり直さなければならなかった。
モローゾフ教授は、ここでも自在に舟を停めさせて、花や羊歯に眼を近づけて熱心に観察したり写生をしたりした。鉛筆も手帳も取り上げられてしまった博士のほうは、眼の中へ書きつけておこうとでもするように、灼きつくような眼差でそれらを眺めていた。
そのうちに、水路はだんだん狭まって来て、はるか向うに緑色の木賊で蔽われた広い湿原がひらけ、その上で、四、五匹の大きな爬虫獣の群がさまよっていた。