Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate

Aozora Bunko

『山鹿は蝶に殺された――』

鷺太郎は、呟くようにいった。

少女たちも、自分等を猫のようにあつかった、山鹿の死体を、心地よげに見下ろしていた。

『嫌悪感――というもんは非道いもんだな、鱗粉が触っただけで、皮膚が潰瘍する許か、心臓麻痺まで起すんですね』

春生がいうと、畔柳博士は、こっくり頷いて、

『おや、臭いぞ……』

とドアーの方を見詰めた。すぐドアーは開けられた。

『あ、火事だ!』

どうしたことか、山鹿の別荘は火を出したと見えて、もうその地下室のドアーのところにまで、むせっぽい、きな臭い煙が巻込んで来ていた。

『あっ、あの婆だな――』

春生が飛出した。

『あわてるな――』

畔柳博士が呶鳴ったけれど、もう皆は先をあらそって、出口へ飛出して行った。

山鹿の死骸も、田母沢源助の戯れ呆けて寝た体も、運び出す暇はなかった。

皆が飛出すと、一足違いに、ドッと梁が落ちて、金色の火の子が、パッと花火のように散った。火勢はいよいよ猛烈だった。

その仕掛花火よりも見事な、すさまじい火焔の中に、あの数人の全裸体の美少女が、右往左往するさまは、まるでそれが火の精であるかのように、美しく彩られて、海浜都市のKの丘の上に、妖しい狂舞が続けられていた。