Classici giapponesi con furigana
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かいいにきらわる
怪異に嫌わる
豊島 与志雄
Leggi 怪異に嫌わる (かいいにきらわる) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4560 caratteri · 10 schermate
――僕の下心では、もしそれが本当にお化を出してくれる刀だったら、坪井が伯父さんを瞞着したように、何とかかとか云い張り、場合によっては如何に高価でも、借金までしても、それを坪井から巻き上げるか買取るかするつもりだった。刀には執着はないが、お化にこがれていたのだ。と云って、僕は妖怪変化の存在を信じてるのではない。そんなものはまあ居ないものと思ってはいるが、然し、どうかして逢いたいのだ。世には、怪異を見たという人は随分多い。それがたとい幻覚であるにせよ、一生に一度ぐらいは僕も見たい。怪異を見ることによって、心情が深まりはしないだろうか、少くとも心情の風景が賑かになりはしないだろうか。僕は生来怪異が好きなのだ。
深々たる真夜中、私はふと眼がさめた、と思ったのは誤りで、欄間には明るい光がさしている。起き上ってみるともう十一時になりかけていた。枕頭には青江の刀が昨夜のままで、そして一晩中何のことも起らなかった。
私はなお幾夜か、その刀をためしてみた。然し変化の出現する気配だにない。私は当外れの気持で、その気持のやり場に困って、此度は子供たちに試してみた。
――お化にまで嫌われたかという思いは、へんに遣瀬ないものだ。