Classici giapponesi con furigana
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
Leggi 恐怖の幻兵団員 (きょうふのまぼろしへいだんいん) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.784 caratteri · 28 schermate
また私自身にしてみても今まで辛棒してきたのに、今更別れようとは思わないのですが、夫婦の間に秘密があるということは何んとしても堪えられないのです。
人殺しだって構いません。もっと悪い事をしていたって、私は驚きません。それよりも打ち開けられないということは、私が信用されていないということになるので不愉快だったのです。
一雄は何かよほどの決意をしたらしく、顔を上げるときっと私を見て、絶対他言をしないという誓をせよと申しました。そしてかたい誓約をさせてから、始めて、心の苦悶を打ち開けてくれたのです。
主人が収容所にいました時、仲の好い名門の伜数名が集って、研究会のようなものをつくり、徒然を慰め合っていた事がありました。その時、夫は小さく丸るめた紙屑が床に落ちていたのを見たのです。拾って、ひろげて見ると、このグループの一人が書いたもので、それが上官への密告書であることを知りました。勿論、一雄の名も書いてあったそうです。彼はびっくりして、信じ合っているこの僅かなグループの中にもスパイがいるのかと驚いたといいます。
身辺にこういう人がいては油断は出来ないと思いましたが、どの人がスパイであるかわからず、また口に出すことでないのでそのままにしていると、ある日、突然、エム中尉という人からよび出されました。