Classici giapponesi con furigana
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
Leggi 恐怖の幻兵団員 (きょうふのまぼろしへいだんいん) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.784 caratteri · 28 schermate
私は体を屈め、肩を斜めにして外へ出ることが出来た。オーヴァが、破ぶれた羽目板にささって、尖った板の先に一つまみ位の毛がちぎれて引っかかった。
裏門の外にはかたそうな土の上にタイヤのあとがいく筋もあった。人通りはあまり頻繁ではないらしいが、自動車が楽に通れる位の路はあって、邸のはずれからは広い往来になっていた。細かく調べてゆくうちにほかの羽目板にも一つ私のオーヴァ以外の小さい布地がささっているのを発見した。手にとってみると、白っぽいしまの絹地であった。同時に塀の下の溝淵につき刺っている尖ったものを見た。拾い上げて泥を洗ってみると、美事な真珠のネクタイピンであった。
二つの獲物は私を非常に勇気づけた。
夫人はお茶をいれて待っていた。
私はまず絹地を出して見せた。
彼女は手にとって見ていたが、急にサッと顔いろを変えて、
「どこにございましたの? これはあの日着ていたワイシャツの布地です、ああ」夫人は両手で顔を覆うと、
「やッぱり! 私の想像した通りだったんですもの先生、一雄はきっと殺されたんです。きっとそうです、きっと――」
身をふるわして、しゃくり上げた。