Classici giapponesi con furigana
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Leggi 恐怖王 (きょうふおう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.038 caratteri · 133 schermate
「待ってくれ、オイ、変だぜ」
死骸を覗き込んでいた警官が、頓狂な調子で云った。
「どうしたんだ」
「人形みたいな美しいお嬢さんだと思ったら、これは君、本当に人形だぜ。ホラ見給え、顔を叩くとコチコチ音がする」
全くそれは人形に相違なかった。洋服屋のショウ・ウインドウに立っているマネキン人形だ。
「ワハハハ……」
突然、ゴリラ男の傍若無人な笑声が爆発した。だが、笑われても致方がない。飾り人形を本物の女の死体と思い込んで、目の色変えて追駈けたんだから、どうにも引込みがつかない。
併し待てよ。この夜更けに、マネキン人形を抱て走っているのも変だし、それに、泥棒でもなければ、何も逃げ出す事はない筈だ。オヤオヤ、するとこいつは人形泥棒だったのか。
イヤ、どうもそうではなさそうだ。ただの人形泥棒が、あんなに死にもの狂いに逃出すのも変だし、あれ程頑強に抵抗する訳もない。その上、こいつの顔が気に食わぬ。話に聞いているゴリラ男の人相とそっくりだ。
そこで、K刑事は、いずれにもせ、何かの罪人には相違ないのだから、兎に角、その男を警視庁の留置室へブチ込んで、上役の意見を聞くことに腹を極めた。