Classici giapponesi con furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Leggi 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.705 caratteri · 28 schermate
「いえ、正直のところを申しますよ。決して嘘偽りは申しません。本統の事を申しますよ」
八
「さア、それでは、小判で十枚……その代り茶代に一両置くと云ったのは取消すよ」と一水舎半丘、なかなかズルイ。
「ええ、もう沢山で御座います。十両の金は我々に取っては大変な物で御座いますよ。早速亭主の野郎に見せて腰を抜かさして遣ります」と嬶さんは急いで小判を納い出した。
「そこでどうだい、一件の家筋、非人の家筋という心配は無いかね」
「そんな事は御座いませんよ。一件でも非人でも、そんな気は些ともありませんから、その方は請合ます」
「やれ、それで一安心。そこで、肝腎の血の筋だ。癩病の方はどうだね」
「その方は大丈夫です。あの家には昔から悪い病のあったという事を聞きません。あの家に限らず羽田には、そんな血筋は無い様で……私だッて大丈夫で」
「分った分った、それならもう心配する事は無い」
「それがね、ただ一ツ御座いましてね。いえ、隠しても直ぐ分る事で御座いますから、あの娘に取ってはまことに気の毒ですが、余り知れ切った話ですからね、申しますがね」
「ふむ、なんだい、どんな曰くが有るんだね」