Classici giapponesi con furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Leggi 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.705 caratteri · 28 schermate
「あの娘の父親は、名代の海賊で御座いました」
「えッ、海賊?」
「竜神松五郎と云って、遠州灘から相模灘、江戸の海へも乗り廻して、大きな仕事をしていましたよ」
「おう、竜神松五郎と云ったら、和蘭船の帆の張り方を知って、どんな逆の風でも船を走らして、出没自在の海賊の棟梁、なんでも八丈島沖の無人島で、黒船と取引もしていたッてえ、あ、あ、あの松五郎の娘……あの松五郎の娘が、お玉だッたか」
「それで御座いますよ。その松五郎も運の尽きで、二百十日の夜に浦賀の船番所の前を乗切る時、莨の火を見られて、船が通ると感附かれて、木更津沖で追詰められて、到頭子分達は召捕りになりましたが、松五郎ばかりは五十貫もある異国の大錨を身に巻附けて、海へ飛込んで死んで了いましたので、未だその他に同累も御座いましたのですが、それはお調べにならないで了ったそうで……」
「竜神松五郎の娘。嗚呼、あのお玉が海賊の娘かい……どうもこれは飛んでも無い事が出来て了った」
「ねえ、先生、それはそうで御座いますが、どうにかそこがならない者で御座いましょうか。父親は海賊でも、母親は善人で御座いましてね、それにあの通り娘は出来が好いので御座いますから、これは私の慾得を離れて、どうにか纏めて遣りたいもので御座いますが……」