Classici giapponesi con furigana
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おしみなくあいはうばう
惜みなく愛は奪う
有島 武郎
Leggi 惜みなく愛は奪う (おしみなくあいはうばう) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.397 caratteri · 159 schermate
二四
二五
その代り一度見出した愛人に対しては、愛はその根柢から揺ぎ動くだろう。かくてこそその愛は強い。そして尊い。愛に対する本能の覚醒なしには、縦令男女交際にいかなる制限を加うるとも、いかなる修正を施すとも、その努力は徒労に終るばかりであろう。
二四
もう私は私の饒舌から沈黙すべき時が来た。若し私のこの感想が読者によって考えられるならば、部分的に於てでなく、全体に於て考えられんことを望む。殊に本能的生活の要求を現実の生活にあてはめて私が申出た言葉に於てそうだ。社会生活はその総量に於て常に顧慮されなければならぬ。その一部門だけに対する凝視は、往々にして人を迷路に導き込むだろう。
私もまた部分的考察に走り過ぎた嫌いがないとはいえない。私は人間に現われた本能即ち愛の本能をもっと委しく語ってやむべきであったかも知れない。然しもう云われたことは云われてしまったのだ。
願わくは一人の人をもあやまることなくこの感想は行け。
二五
あまりに明かであって、しかも往々顧みられない事実は、一つの思想が体験的の検察なしに受取られるということだ。それは思想の提供者を空しく働かせ、享受者を空しく苦しめる。