Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Leggi 愛のごとく (あいのごとく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.908 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

「からだ、平気なのかい?」

「え?」

「兄貴が心配してたよ、元気ないからって」

「からだなんて、ひとつも悪かあない」

兄のお節介に、信二はすっかり腹を立てて答えた。「ぜんぜん丈夫ですよ、僕」

荻村は安心したように笑った。「なんだ、平気なのか。兄貴がやめさせたいなんていうから。……坊やは、じゃ、つづける気あんの?」

「ありますよ」と信二はさも意外そうにいった。嘘ではなかった。もう少し稼がねば授業料が払えないのを、彼は計算していた。なんといっても、このアルバイトがいちばん割りがいいのだ。

「そうか」荻村は考えこむ様子だった。「じゃあ、坊やはほんとにドラマーになる気なのかい?」

「さあ、そいつは」彼は口ごもった。「たたくのは気持いいけど」

「ふうん。ダーチーの話とちがうな」電車通りに出ながら、白マフラアの荻村は首をまげた。

「ダーチーの話はね、またちがうんだ。カレは坊やをわれわれのドラマーに仕立てたいといってるんだ、それでほかのやつを入れない」

「僕はバンド・ボーイですよ」と信二はいった。「ダーチーには、考えさせて下さいってぼかしてあるんですが」

「そうなの。でもそいじゃ弱ったな、ドラマーはどうしてもいるんだ」