Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

わがじんせいかん

我が人生観

坂口 安吾

Leggi 我が人生観 (わがじんせいかん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7633 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

彼が綱のきれた風船となって漠然と自分の心をさがしたとき、この娘に一目会いたい、そして、それが、何か力のタシになるように激しく渇望されたのは、あんまり適切な人間がいすぎたものだというぐらい、うまく出来すぎているのである。

しかし、人間の心は一筋縄ではいかないものだ。娘に会いたいと思ってその方面の電車にのり、その家に近いところまで行っても、それだけが彼の心の全部ではない。

彼はその日GHQの人たちと会う約束であったというが、その約束の時間はもうすぎている。そのことに思いつくと居たたまらぬ苦痛を覚えたであろうし、又、唐突に家族のことや、いろいろの職務のことや、それらはすべてそれらを思いだすたびに、彼を混乱させ、どうしてよいか分らなくさせたに相違ない。

彼は娘の家の近くまで行ったが、それ以上近づくことができなくて、ある距離をおいて、思いまどって歩き、茫然と休み、わけのわからぬことをしていたかも知れない。

そして、何とか旅館で休んだのは、あるいは彼であったかも知れない。女将の説によれば、その紳士は、女はいるか? といって、ちょッと助平な笑い方をしたということであるが、それが下山氏であったとしても、彼がそのように助平なことを云ったということや、そんな考えを起したということは決して不自然ではないのである。