Classici giapponesi con furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate
うとは考えられないが、五月の末に、大晦日の話をもちだすような気のまわりようでは、油断がならない。
賢夫人と千々子さまは、トラックの上で、ろくでもない道具をあちこちさせていたので、運よく、聞きつけられずにすんだが、なんともはや、すごいところまで見抜かれたものだと、はっと胸をおさえたのは、百々子だけのことではなかった。石田氏は、運命を予見されたひとの、暗澹たる顔になって、
「いや、それはどうも」
といったきり、これも、ぎっくりと閊えて、つづく言葉もないふうであった。
引越しのゴタゴタがすんで、三日ほどした午後、逆落しの道源寺坂を、谷町のほうへ買物に降りて行くと、貸間探しらしい若い夫婦連れが坂の中途にとまって、崖の上なるわが石田邸を見あげながら、こんなことをいっていた。
「いい家だ。ちゃんと風景になっている」
「あれは、ついこの間、接収解除になった家なの。いま、どんなひとが住んでいるんでしょう、羨ましいわね……高住さんとこが、やはりそうなのよ。お台所のメカニックがすっかり残っていて、とても便利にやっていらっしゃるわ……電気冷蔵庫があって、電気洗濯機があって、お料理は、みな電気調節器のついたレンジとオーヴンでやるの……あなた、聞いていらっしゃる? 調節器を加減しておくと、鶏の丸焼きが仕上るころに、べつなところで、隠元