Classici giapponesi con furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate
四四
自分のあとを追おうとする愛子を刺し貫くほど睨めつけておいて葉子は部屋を出た。そうして火をかけられたようにかっと逆上しながら、ほろほろとくやし涙を流して暗い廊下を夢中で宿直室のほうへ急いで行った。
四四
たたきつけるようにして倉地に返してしまおうとした金は、やはり手に持っているうちに使い始めてしまった。葉子の性癖としていつでもできるだけ豊かな快い夜昼を送るようにのみ傾いていたので、貞世の病院生活にも、だれに見せてもひけを取らないだけの事を上べばかりでもしていたかった。夜具でも調度でも家にあるものの中でいちばん優れたものを選んで来てみると、すべての事までそれにふさわしいものを使わなければならなかった。葉子が専用の看護婦を二人も頼まなかったのは不思議なようだが、どういうものか貞世の看護をどこまでも自分一人でしてのけたかったのだ。その代わり年とった女を二人傭って交代に病院に来さして、洗い物から食事の事までを賄わした。葉子はとても病院の食事では済ましていられなかった。材料のいい悪いはとにかく、味はとにかく、何よりもきたならしい感じがして箸もつける気になれなかったので、本郷通りにある或る料理屋から日々入れさせる事にした。