Classici giapponesi con furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate
木村さんのほうにお金でもできて、わたしの病気がなおりさえすれば結婚するようになるかもしれないけれども、それはいつの事ともわからないし、それまではわたしはこうしたままで、あなた方と一緒にどこかにお家を持って楽しく暮らしましょうね。いいだろう貞ちゃん。もう寄宿なんぞにいなくってもようござんすよ」
「おねえさまわたし寄宿では夜になるとほんとうは泣いてばかりいたのよ。愛ねえさんはよくお寝になってもわたしは小さいから悲しかったんですもの」
そう貞世は白状するようにいった。さっきまではいかにも楽しそうにいっていたその可憐な同じ口びるから、こんな哀れな告白を聞くと葉子は一入しんみりした心持ちになった。
「わたしだってもよ。貞ちゃんは宵の口だけくすくす泣いてもあとはよく寝ていたわ。ねえ様、私は今まで貞ちゃんにもいわないでいましたけれども……みんなが聞こえよがしにねえ様の事をかれこれいいますのに、たまに悪いと思って貞ちゃんと叔母さんの所に行ったりなんぞすると、それはほんとうにひどい……ひどい事をおっしゃるので、どっちに行ってもくやしゅうございましたわ。古藤さんだってこのごろはお手紙さえくださらないし……田島先生だけはわたしたち二人をかわいそうがってくださいましたけれども……」