Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Leggi 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.554 caratteri · 228 schermate

Aozora Bunko

」

「……晩鐘……ってどんなことでしょうか。そうかいてあるわね。」

「晩方、よく鐘が鳴るでしょう。あれをいうのです。この間ふじ子さんが……いま鳴るかねはいくつのかねじゃ……とうたっていたでしょう。あんな夕方のかねのことを晩鐘って言うんです。」

「そう。」

彼女は感心したように言った。室の中の絵を一枚一枚に彼女は私に説明させた。その注意深い、智識に餓えている少女時代が、今かの女の総てに溢れていた。

「おじさんは毎日何をしていらっしゃるの。何を書いていらっしゃるの。」

こう直接に言われると、

「おじさんはね。……」

私は詰った。どう言い表わしていいか判らなかった。私はなぜだか、こう問いつめられると赤面するような気がした。

「おじさんの書いていることは、ふじ子さんがもっと大きくなると、ひとりで解ってくるようになるの。」

「それまでどうしても解らないの。」

「そう。なかなか解らない。」

彼女は不審そうな心で、私を見たが、すぐまた忘れてしまったような顔をした。

彼女らが去ると、私はぼんやりと、窓にもたれていた。子供の魂には、どうしても解らせることのできない仕事を、つくづく考え込んだ。