Classici giapponesi con furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Leggi 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.554 caratteri · 228 schermate
その白く矢のような光沢をもった毛並みは、みるみるうちに濡れかがやいた。しかもかれらが水中から上って来て、身震いをして水や水のしずくをはね飛ばしたとき、実に立派な豊富な純白な毛並みを立てたのであった。
私にこの動物を眺めたときから起りかけた心は、一つには北極の寂しい空気であった。あたかも視野をさえぎるもののない広大な氷の海に、夢かうつつに想像されるところの、世にも珍らしい光景であった。そこに一切の緑樹もなかった。光もないような冷厳な、思うてもひとびとの心を厳粛に表情づける奥の奥なる自然の巧緻があった。恐ろしい死のような荒涼と、流れ去る氷山の群があるのだ。
しかもかれは人間の世界に、こうした小さな水壺を与えられて生活しているのを見ると、いつの間にか優しくなりかけた相貌の中に、なれなれしい馴致性な、凡ての生きものの本然な共通的のやさしさ親しさがあった。
「ふじ子さん。これは氷の国にいる動物ですよ。」
と、私は子供のように彼女にささやいた。誰しもこれらの動物を眺めているうちに、ふしぎと調和されてくる総ての動物的な、珍らしい睦まじさ親密さをかんじるのであった。