Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せんじょう
戦場
夢野 久作
Leggi 戦場 (せんじょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.769 caratteri · 51 schermate
膝頭と歯の根が同時にガタガタと音を立てそうになって来た。そうして百に近い負傷兵の何となく魘えた、怨めしそうな、力ない視線に私の全神経が射竦められて、次第次第に気が遠くなりかけて来た時にヤット全部の診察、研究が終ると、大佐は私を些し離れた小高い土盛の上に連れて行って、軍刀をグット背後に廻した。両耳の蔽いを取って自分の顔を、手袋をはめた両手で強く摩擦し初めた。
「……そこでクラデル君。これらの全部の負傷兵の種類を通じての特徴として、君は何を感じますかね」
「……ハッ……。皆、味方の銃弾か、銃剣によって傷いている事であります。砲弾、毒瓦斯、鉛筆(仏軍飛行機が高空から撒布して行く短かい金属性の投矢の一種)等の負傷は一つも無い事です」
「……よろしい……」
吾が意を得たりという風に云い放った軍医大佐はピタリ顔面の摩擦を中止した。満足げに首肯き首肯き小高い土盛りの中央に月の光を背にして立った。今一度、勢よく軍刀のを背後に押しやって咳一咳した。振返ってみるとヴェルダンの光焔が、グングンと大空に這い昇って、星の光りを奪いつつ湧き閃めいている。
その時に姿勢を正したワルデルゼイ軍医大佐は、三方の屍体の山を見まわしながら真白い息を吐いて長吼した。