Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げさくざんまい

戯作三昧

芥川 竜之介

Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

だから、彼は大いに強硬な意志を持っていると、必ずそれに反比例する、いかにもやさしい声を出した。

馬琴はこの声を聞くと、再び本能的に顔をしかめた。

「原稿と言ったって、それは無理だ。」

「へへえ、何かおさしつかえでもございますので。」

「さかつかえるどころじゃない。今年は読本を大分引き受けたので、とても合巻の方へは手が出せそうもない。」

「なるほどそれは御多忙で。」

と言ったかと思うと、市兵衛は煙管で灰吹きを叩いたのが相図のように、今までの話はすっかり忘れたという顔をして、突然鼠小僧次郎太夫の話をしゃべり出した。

七

鼠小僧次郎太夫は、今年五月の上旬に召捕られて、八月の中旬に獄門になった、評判の高い大賊である。それが大名屋敷へばかり忍び込んで、盗んだ金は窮民へ施したというところから、当時は義賊という妙な名前が、一般にこの盗人の代名詞になって、どこでも盛んに持てはやされていた。

「何しろ先生、盗みにはいったお大名屋敷が七十六軒、盗んだ金が三千百八十三両二分だというのだから驚きます。盗人じゃございますが、なかなかただの人間に出来ることじゃございません。」