Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げさくざんまい

戯作三昧

芥川 竜之介

Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

この男はその手紙によると、二十一の年に聾になって以来、二十四の今日まで文筆をもって天下に知られたいという決心で、もっぱら読本の著作に精を出した。八犬伝や巡島記の愛読者であることは言うまでもない。ついてはこういう田舎にいては、何かと修業の妨げになる。だから、あなたのところへ、食客に置いて貰うわけには行くまいか。それからまた、自分は六冊物の読本の原稿を持っている。これもあなたの筆削を受けて、しかるべき本屋から出版したい。――大体こんなことを書いてよこした。向うの要求は、もちろんみな馬琴にとって、あまりに虫のいいことばかりである。が、耳の遠いということが、眼の悪いのを苦にしている彼にとって、幾分の同情をつなぐ楔子になったのであろう。せっかくだが御依頼通りになりかねるという彼の返事は、むしろ彼としては、鄭重を極めていた。すると、折り返して来た手紙には、始めからしまいまで猛烈な非難の文句のほかに、何一つ書いてない。

自分はあなたの八犬伝といい、巡島記といい、あんな長たらしい、拙劣な読本を根気よく読んであげたが、あなたは私のたった六冊物の読本に眼を通すのさえ拒まれた。