Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げさくざんまい

戯作三昧

芥川 竜之介

Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

だから彼は場合によって、軽蔑と好意とを、まったく同一人に対して同時に感ずることが出来た。この近江屋平吉のごときは、まさにそういう愛読者の一人である。

「なにしろあれだけのものをお書きになるんじゃ、並大抵なお骨折りじゃございますまい。まず当今では、先生がさしずめ日本の羅貫中というところでございますな――いや、これはとんだ失礼を申し上げました。」

平吉はまた大きな声をあげて笑った。その声に驚かされたのであろう。側で湯を浴びていた小柄な、色の黒い、眇の小銀杏が、振り返って平吉と馬琴とを見比べると、妙な顔をして流しへ痰を吐いた。

「貴公は相変らず発句にお凝りかね。」

馬琴は巧みに話頭を転換した。がこれは何も眇の表情を気にしたわけではない。彼の視力は幸福なことに(?)もうそれがはっきりとは見えないほど、衰弱していたのである。

「これはお尋ねにあずかって恐縮至極でございますな。手前のはほんの下手の横好きで今日も運座、明日も運座、と、所々方々へ臆面もなくしゃしゃり出ますが、どういうものか、句の方はいっこう頭を出してくれません。時に先生は、いかがでございますな、歌とか発句とか申すものは、格別お好みになりませんか。