Classici giapponesi con furigana
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おしえのきせき
押絵の奇蹟
夢野 久作
Leggi 押絵の奇蹟 (おしえのきせき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 58.749 caratteri · 114 schermate
殿方は産所へお這入りになるものではありません」
と叱りつけましたので、お父様は又慌ててお炬燵へお這入りになって、頭から蒲団をお冠りになりました。そのために炬燵の櫓が半分丸出しになって、その左右に、お父様の黒いおみ足がニュッと二本つき出ておりましたそうで、
「その御ようすの可笑しかったこと……」
とオセキ婆さんがよく人に話しては笑ったという事を、ずっと後になって、聞きました。
私が生れましたあと先の事で、後になって聞きましたことはまだいろいろあります。
その中でも何より先に申上げなければなりませぬ事は、私が生れましてから間もなく流行り出しました手鞠歌で、今でも福岡の子守女は唄っているそうで御座います。
「イッチョはじまり一キリカンジョ……
一本棒で暮すは大塚どんよ。(杖術の先生のこと)
二ョーボで暮すは井ノ口どんよ。
三宝で暮すが長沢どんよ。(櫛田神社の神主様のこと)
四わんぼうで暮すが寺倉(金貸)どんよ。
五めんなされよアラ六ずかしや。
七ツなんでも焼きもち焼いて。
九めん十めんなさらばなされ。
眼ひき袖引きゃ妾のままよ。
孩児が出来ても妾の腹よ。
あなたのお腹は借りまいものよ。