Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんていしょうせつとおんがく

探偵小説と音楽

野村 胡堂

Leggi 探偵小説と音楽 (たんていしょうせつとおんがく) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3397 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

近代探偵小説に一つの型を与えた、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」は、あの苛辣冷静な性格に似ずヴァイオリンをよくし時には助手のワトソン博士に一曲を奏でて聴かす余裕があり、緊迫した空気の中で、トスカニーニの指揮するモーツァルトに興味を持ったりしている。

たったこれ丈けのことであるが、音楽を知り、音楽に親しみを持つということが、シャーロック・ホームズを、どれだけ我々読者に親しませるかわからない。しかもそれは決して付け焼刃ではなく、あの明哲冷厳なホームズが、心から音楽を愛する態度が沁み出して、ほほ笑ましきものをさえ感じさせるのである。作者コナン・ドイルに、並々ならぬ音楽に対する愛情があるからであろう。

ヴァン・ダインは私の好きな作家の一人だが、その出世作「カナリア殺人事件」の重大な詭計は、ベートーヴェンの第五シンフォニー第二楽章アンダンテのレーベルを貼ったレコードに針を落すと、暫らくの間は音楽も何んにも聴えず、唯針音だけを立てて廻って居るが、レコードの最後に近くなって、突然恐怖に充ちた声で「助けてエ、助けてエ」と女の甲走った声で絶叫し、続けて「いいえ、何んでもないの、大声なんか出して悪かったわねエ、どうか続けて頂戴、心配なさらなくても宜いワ」