Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぎたい
擬体
豊島 与志雄
Leggi 擬体 (ぎたい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.945 caratteri · 25 schermate
「お願いしたいことが、二つあります」
「ああ。遠慮なく言ってくれ。」
「あの、今西巻子は、共産党員でもシンパでもありません。ましてスパイではありません。このこと、了解して頂けましょうか。」
「君はそう信ずるかね。」
「ええ、信じます。」
「それでは、僕も君の言葉を信ずるとしよう。ところで、君はあの女を愛してるのかね。」
「そんなことはありません。酒の上の過ちです。私には妻があります。」
「だが、あの女はどうも、君の側の陣営の者で、僕の側の陣営の者ではなさそうだね。」
「それは、私にはむしろ逆ではないかと思われますが……。」
石村は首をひねった。その時、青木ははっきり気附いた。今西巻子に事よせて、二人ははっきり絶縁したのだった。気持ちに何の後腐れもなくさっぱりとした。
「最後のお願いですが、お約束通りの退職金を、今日頂けますまいか。」
「ばかに気が早いね。惜別の宴でも、一夕、社員たちと一緒に設けたいんだが、どうかね。」
「そのようなこと、気が進みません。」
「いやにはっきりしてるじゃないか。」
石村は仕事机の方へ行って、何か帳簿を調べ、それから小島を呼んで、丸田の方へ紙片を持たせてやった。