Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Leggi 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.671 caratteri · 149 schermate
殊に新参ながらも入婿の事情を薄々知っているお菊は、五百両の金の型に身を売ったような若いお内儀さんの不運には愈よ同情していた。
他人の眼から見てすらもそうである。まして現在の阿母様の身になったら、その不釣合も愈よ眼に立つことであろう。若いお内儀さんも可哀そうに思われることであろう。人の善い若旦那を指して、心の好くない者というのは、些と受取り難い話ではあるが、何方にしても阿母様の心では若旦那を追い出したいに相違ない。それは無理もないことだと彼女は思った。しかし自分がそんな空怖しい役目を引受けて、何の恨もない若旦那に無実の云い懸けをするなどとは、飛んでも無いことだと彼女は又思った。
「切角ではございますが、これは他の事とも違います。またその相手も他のお方とは違います。仮にも御主人様と名の付く方に傷を付けるなどとは、考えても怖しいことでございます。どうぞこればかりは……。」
お菊は一生懸命になって断ったが、お常は何うしても許さなかった。お久も肯かなかった。このままにして置けば、お熊さんは前の川へ身を投げるに決っている。お前は若旦那に傷を付けるのを恐れながら、若いお内儀さんを見殺しにするのは何とも思わないのか。