Classici giapponesi con furigana
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ぶんちょう
文鳥
Leggi 文鳥 (ぶんちょう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.569 caratteri · 22 schermate
大きな手をそろそろ籠の中へ入れた。すると文鳥は急に羽搏を始めた。細く削った竹の目から暖かいむく毛が、白く飛ぶほどに翼を鳴らした。自分は急に自分の大きな手が厭になった。粟の壺と水の壺を留り木の間にようやく置くや否や、手を引き込ました。籠の戸ははたりと自然に落ちた。文鳥は留り木の上に戻った。白い首を半ば横に向けて、籠の外にいる自分を見上げた。それから曲げた首を真直にして足の下にある粟と水を眺めた。自分は食事をしに茶の間へ行った。
その頃は日課として小説を書いている時分であった。飯と飯の間はたいてい机に向って筆を握っていた。静かな時は自分で紙の上を走るペンの音を聞く事ができた。伽藍のような書斎へは誰も這入って来ない習慣であった。筆の音に淋しさと云う意味を感じた朝も昼も晩もあった。しかし時々はこの筆の音がぴたりとやむ、またやめねばならぬ、折もだいぶあった。その時は指の股に筆を挟んだまま手の平へ顎を載せて硝子越に吹き荒れた庭を眺めるのが癖であった。それが済むと載せた顎を一応撮んで見る。それでも筆と紙がいっしょにならない時は、撮んだ顎を二本の指で伸して見る。