Classici giapponesi con furigana
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しゃよう
斜陽
Leggi 斜陽 (しゃよう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.822 caratteri · 176 schermate
六
そのお顔は、活き活きとして、むしろ輝いているように見えた。叔父さまにお逢い出来てうれしかったのだろう、と私は思った。
「いいえ」
私もすこし浮き浮きした気分になって、にっこり笑った。
そうして、これが、お母さまとの最後のお話であった。
それから、三時間ばかりして、お母さまは亡くなったのだ。秋のしずかな黄昏、看護婦さんに脈をとられて、直治と私と、たった二人の肉親に見守られて、日本で最後の貴婦人だった美しいお母さまが。
お死顔は、殆んど、変らなかった。お父上の時は、さっと、お顔の色が変ったけれども、お母さまのお顔の色は、ちっとも変らずに、呼吸だけが絶えた。その呼吸の絶えたのも、いつと、はっきりわからぬ位であった。お顔のむくみも、前日あたりからとれていて、頬が蝋のようにすべすべして、薄い唇が幽かにゆがんで微笑みを含んでいるようにも見えて、生きているお母さまより、なまめかしかった。私は、ピエタのマリヤに似ていると思った。
六
戦闘、開始。
いつまでも、悲しみに沈んでもおられなかった。私には、是非とも、戦いとらなければならぬものがあった。新しい倫理。いいえ、そう言っても偽善めく。