Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゃよう

斜陽

太宰 治

Leggi 斜陽 (しゃよう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.822 caratteri · 176 schermate

Aozora Bunko

、お座敷に駈け上って、まっくら闇の中で奥さまのお手を掴んで泣こうかしらと、ぐらぐら烈しく動揺したけれども、ふと、その後の自分のしらじらしい何とも形のつかぬ味気無い姿を考え、いやになり、

「ありがとうございました」

と、ばか叮嚀なお辞儀をして、外へ出て、こがらしに吹かれ、戦闘、開始、恋する、すき、こがれる、本当に恋する、本当にすき、本当にこがれる、恋いしいのだから仕様が無い、すきなのだから仕様が無い、こがれているのだから仕様が無い、あの奥さまはたしかに珍らしくいいお方、あのお嬢さんもお綺麗だ、けれども私は、神の審判の台に立たされたって、少しも自分をやましいとは思わぬ、人間は、恋と革命のために生れて来たのだ、神も罰し給う筈が無い、私はみじんも悪くない、本当にすきなのだから大威張り、あのひとに一目お逢いするまで、二晩でも三晩でも野宿しても、必ず。

駅前の白石というおでんやは、すぐに見つかった。けれども、あのひとはいらっしゃらない。

「阿佐ヶ谷ですよ、きっと。阿佐ヶ谷駅の北口をまっすぐにいらして、そうですね、一丁半かな? 金物屋さんがありますからね、そこから右へはいって、半丁かな? 柳やという小料理屋がありますからね、先生、このごろは柳やのおステさんと大あつあつで、いりびたりだ、かなわねえ」