Classici giapponesi con furigana
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しゃよう
斜陽
Leggi 斜陽 (しゃよう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.822 caratteri · 176 schermate
と乗り出してたずねているひとは、たしかに私もその舞台顔に見覚えのある新劇俳優の藤田である。
「ああ、あ、だ。ああ、あ、チドリの酒は、安くねえ、といったような塩梅だね」
と上原さん。
「お金の事ばっかり」
とお嬢さん。
「二羽の雀は一銭、とは、ありゃ高いんですか? 安いんですか?」
と若い紳士。
「一厘も残りなく償わずば、という言葉もあるし、或者には五タラント、或者には二タラント、或者には一タラントなんて、ひどくややこしい譬話もあるし、キリストも勘定はなかなかこまかいんだ」
と別の紳士。
「それに、あいつあ酒飲みだったよ。妙にバイブルには酒の譬話が多いと思っていたら、果せるかなだ、視よ、酒を好む人、と非難されたとバイブルに録されてある。酒を飲む人でなくて、酒を好む人というんだから、相当な飲み手だったに違いねえのさ。まず、一升飲みかね」
ともうひとりの紳士。
「よせ、よせ。ああ、あ、汝らは道徳におびえて、イエスをダシに使わんとす。チエちゃん、飲もう。ギロチン、ギロチン、シュルシュルシュ」
と上原さん、一ばん若くて美しいお嬢さんと、カチンと強くコップを打ち合せて、ぐっと飲んで、お酒が口角からしたたり落ちて、顎が濡れて、それをやけくそみたいに乱暴に掌で拭って、それから大きいくしゃみを五つも六つも続けてなさった。