Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゃよう

斜陽

太宰 治

Leggi 斜陽 (しゃよう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.822 caratteri · 176 schermate

Aozora Bunko

と言ったら、その中年の洋画家は、

「へえ? それが貴族気質というものかね、いやらしい。僕は、ひとが遊んでいるのを見ると、自分も遊ばなければ、損だ、と思って大いに遊ぶね」

と答えて平然たるものでしたが、僕はその時、その洋画家を、しんから軽蔑しました。このひとの放埒には苦悩が無い。むしろ、馬鹿遊びを自慢にしている。ほんものの阿呆の快楽児。

けれども、この洋画家の悪口を、この上さまざまに述べ立てても、姉さんには関係の無い事ですし、また僕もいま死ぬるに当って、やはりあのひととの永いつき合いを思い、なつかしく、もう一度逢って遊びたい衝動をこそ感じますが、憎い気はちっとも無いのですし、あのひとだって淋しがりの、とてもいいところをたくさん持っているひとなのですから、もう何も言いません。

ただ、僕は姉さんに、僕がそのひとの奥さんにこがれて、うろうろして、つらかったという事だけを知っていただいたらいいのです。だから、姉さんはそれを知っても、別段、誰かにその事を訴え、弟の生前の思いをとげさせてやるとか何とか、そんなキザなおせっかいなどなさる必要は絶対に無いのですし、姉さんおひとりだけが知って、そうして、こっそり、ああ、そうか、と思って下さったらそれでいいんです。