Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate
「小癪なッ」
と、突いて来た。
源四郎は、仰向けにひッくり返ったが、よろいの胴を刎ね辷った敵の槍をつかんで、
「くそッ」
と、一度は起きかけた。
ところが、その時もう味方はいちどに押し出していた。甲州勢も出足をそろえてぶつかって来た。怒濤と怒濤が噛みあい狂いあうあのすがたを、血と槍と甲冑がえがき出していた。
「あッ、兄上ッ」
味方の兵や馬蹄の下にふみつけられながら、源四郎はさけんでいた。しかし手と脚で這いながら、甲州兵の足をひっ掴んで倒し、首を掻いて横へ抛り出した。
それきり彼のすがたは誰も見とどけていた者はない。
ここは全くの乱軍とはなった。
だがなお、徳川勢の右翼と、武田方の左翼との衝突は、ここほどの接戦にはなっていない。
一町余もひらいていた。
砂けむりのなかに、押太鼓のとどろきや貝の音がもの凄まじく聞える。どうやら信玄の旗本がそのうしろに在るようだった。両軍とも、鉄砲組を前に立てるいとまもなかったので、甲州勢は、その最前線に「水俣の者」とよぶ軽士隊を出し、さかんに石つぶてを抛らせていた。
石とはいえ、まるで雨のように飛んでくる。ここの前線は酒井忠次の一陣、二陣以下、織田家の援軍だった。