Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate
「して――かんじんな御夫人と和子たちとのお別れは」
「それも、兼ねて……」
三河守の眼もとは、酔いながら、またふと涙にうるみかけた。
――さむらい集い。
どこの家中でも、平常によくある宴である。ふだんの階級や君臣の鉄則も、さむらい集いの座だけでは大まかにゆるされる。上下一体、暢々と、生命を楽しませて酔い歌う慣わしであった。
「なるほど」
藤吉郎は大きくうなずいて、
「こよい限りの君臣の死別と、こよい限りの御妻子との生別と、ふたつを併せての、さむらい集いでござったか。――そこまでに、長政どのの御心境もきまった上は、いかがでござろう。それがしも、亥の刻まで、ぽつねんと、鼠に引かれそうに居るのは退屈。――ご宴の末席に加わりたいが――いけませんかな?」
「されば、そのため、お探ししていたところでござる。殿にも、そういう御意にござれば」
「なに長政どのも」
「御夫人やお子たちを、織田家に託せば、あとあと何かにつけて、お世話にもならねば相ならぬと……。わけて幼い和子さまたちの行く末をお思いなされて」
「お案じあるな! ――と、そう直接申しあげたい。三河どの、ご案内たのむ」