Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate
極寒十二月、坂本の陣から帰ってくると、すぐ正月、また旅路と、持病のある彼のからだには、こたえていたにちがいない。ゆうべも深更まで側において、興のつきないまま夜更しをさせた。悪寒がすると呟いていたが、丈夫な自分にはつい思いやりが足らなかった。
「あいにくだ。供のうちに医者はおらんな」
「おりませぬ。薬は持参しておりますが、それも半兵衛どのの御持症に、合薬とは参りますまいし」
「飲ませぬよりはましではないかな。半兵衛の持病は、いつもこう熱が出る、咳こむ、その後、食物が細る……といったようなふうだが」
「さあ、それよりも、附近の農家へでも一時あずけて、静かにお寝かし申したほうが」
「むむ、至極道理だ。……わしは少しあわてたとみえる。ここは今浜だな」
「左様にござります」
「今浜ならば、丹羽殿の陣所があるわけ。まだそこへは遠いか」
「遠ござるが、そっと、負うて参るぶんには」
「胸を圧しては病に悪かろう。……はてな」
こんなにも当惑そうに案じる、主人の顔というものを家臣たちも見たことがない。しかし藤吉郎が、その竹中半兵衛重治ひとりを麾下に迎えるため、かつては栗原山の山中に七日も通って行き、慇懃三顧の礼をとって、ようやく彼に出廬の決心をさせた、あの熱意を思い合わせれば――さもあろうかと、家臣たちは、むしろ彼があわてる様をたのもしく