Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
という宇喜多直家の一言には、対立も、家中の異論も、ことごとく沈黙のほかなかった。その大乗的な観点のもとに、衆心は一つになって、即座に、
(そうだ、国土あっての民)
(民あっての武門)
と、たちまち議は一決し、その日のうちに、黒田官兵衛へ和協の旨を答え、官兵衛を通じて、播州平井山へ早打を依頼した。
官兵衛の書面を見て、
「大出来」
と、秀吉は満足した。
もっと彼を感嘆させたのは、官兵衛の周到な用意である。書面のうちには、
――一件、相調ひ候上は、調印誓紙お取りかはしのため、しかるべき方を至急お遣はし被下度……
と、功を誇らずまた、やり過ぎもせず、自分は裏面の策士たる任務に止まって、盟約の正使を求めていることだった。
使者には、蜂須賀彦右衛門がえらばれた。彦右衛門は、宇喜多直家に会って、
「御当代はもちろん、子孫まで、かならず疎略はあるべからずとの、主人筑前守の、おことばでした」
と、伝えた。
直家は、恩を謝して、熊野牛王宝印の料紙に、誓約をしたためて差出した。
こうして、まだ三木城の陥ちないうちに、より大きなものを、秀吉は、一矢も費やさずに、その陣後において獲得していた。