Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
「イヤ、最前の雑言は、あれや禅坊主の奥の手でな、機鋒を奪るというやつだが、あの尼はビクともせん」
「よくやる手か。これや心得ておく必要がある」
「さすがは、半兵衛重治の妹、できている。あれなら黒田ノ城へやっても、うまく手引をつけてくるだろう」
「が。行かぬといっておる」
「明朝、あらためてもう一度頼んでみるのだな。それでもきかねば諦めるとして」
「あの口吻では、きくまい」
「ウム。きくまいな。何せい、近ごろ出色の比丘尼を見た。尼の偉いのになると男僧も及ばぬのがある」
「ひどく感服されたの」
「はなしに聞いていた慧春尼のごとき者だ」
「慧春尼というのは」
「鎌倉の世の頃に、相模の糟谷に生れ、容姿花のごとき美人だったが、年三十を過ぐるや、尼となって、無数の恋人を唖然とさせてしまった。ところが、禅門に入っても、若僧や老僧や、つきまとってやまない」
「鎌倉時代にも、貴僧のようなのが、たくさんいたとみえるな」
「あはははは。まず、そうなんじゃ。するとここに熱烈な一僧があり、いのちがけで尼に恋し、ある夜、腕力にもかけまじき血相で、わが情慾を遂げさせて炎の苦患を救えと迫った。すると慧春尼が云ったという。