Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
(人間はなぜこう戦争のない世には生きてゆけないのか?)
これがこの節、世上の疑問だった。
応仁以来、戦争の惨はなめつくし、生きるべくあらゆる試煉にも辛抱づよくされて来た庶民だが、この頃はすこし懐疑的になりかけてきた。
いったい、こんどの戦こそ、天下分け目というが、二つの天下なら二つのまま、何とか折合いはつかぬものか。つきそうなものではないか。世間はそう考える。
口に平和を約さない指導者はなく、戦の酸鼻を知らない士人もなく、始まればすぐ生命をおびやかされるを怖れない庶民はない。人間という人間ことごとくが平和を希っていない者はないのだ。戦を呪っていることは確かなのだ。それでいて熄まない。熄んだとおもうと直ちに次の戦争へ準備する。勢力の分布がたった二つの世になってもなお停止しないばかりか、かえってそれは、従来の恐怖よりも、最大な険悪さを帯び、天下総がかりの規模と犠牲とをおもわせる。
これは人間のせいではない。人間がやるとすれば、人間ほど愚かな動物はないということになる。
では、何が、何ものが、それをやるのか。
個人ではない。人間の結合したものがやるのだといえる。