Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
「おもしろいの。連日、小銃一発の音もせず、寂として、戦わざるうちの戦いじゃ。……妙は、この機微にある」
「さ。そこです」
勝入は、膝をすすめ、先頃から彼が胸にえがいていた奇略を――例の、山道地図をもひろげて――熱心に、献策した。
秀吉も、熱心に、聞き入った。
いくたびも、
「うん。うむ……なるほど」
と、うなずきもした。
けれど、さいごの結論にいたると、難色をしめした。よかろうとも、やろうとも、容易に、策を容れる顔いろはない。
「もし、おゆるしあれば、勝入は、一族をあげ、率先して、かならず岡崎の城を衝いてごらんに入れる。ひとたび、徳川の、本国岡崎が、突として、お味方の馬蹄の下と聞こゆるならば――小牧の堅塁、いかに備えたりといえ、また、家康、いかに武門の大器なりといえ――攻めずして、かれの内より、総崩れを来すは必定とおもわれる」
勝入は、るるとして、説いてやまず、執拗にまで、かれの持つ“中入りの奇略”の採用を求めるのだった。
「……わかった。うム。考えておこう」
秀吉は、即答を避け、
「だが、おぬしも、そうわが事とおもわずに、ひと事として、もう一晩、考えてみい。