Classici giapponesi con furigana
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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
Leggi 新渡戸稲造論集 (しんのあいこくしん) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.620 caratteri · 196 schermate
「死」の問題に対して
死というような哲学じみた問題は、僕らの口を出すべきものでもないし、また出したところで何らの権威にもなるまい。が、ただ死というものは人間として誰でも免るべからざる事柄であり、かつまた考えまいと思っても必ず我々の心を襲うて来る事柄であるから、哲学者でなくても、何人でも、死については何かの思想は持っているものである。しかし一般にいえば死なる現象をいくらか弄ぶという嫌いもなきにしもあらずと思う。殆んど巫山戯半分に死を論ずるというものもある。しかしこの死に対する観念態度の奈何は即ち凡俗と聖賢とを区別する標準じゃないかと思う。死を怖れるというと語弊があるが、また死を軽んずるといえばよく聞えるけれども、軽んじ方によっては甚だ愚の極であって、日本人は死することを何とも思わぬというは、褒めれば褒めるようなものの、生の責任を知らぬものと批難さるるのも無理ならぬことと思う。
死の価値を定むるものは生であると思う。しかして生の価値を定むるものは義務である。死を軽んずるということは義務を軽んずるという事になると僕は思うている。己れの為すべき事を為して天にも地にも愧じない人は、死を見ること帰るが如くなるべきで、これは古来の聖人君子の死方を観てもよく分る。