Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate

Aozora Bunko

花壺へ貯めていた十四円の金を、お母さんが皆送ってくれと云うので為替にして急いで送った。明日は明日の風が吹くだろう。安さんが死んでから、あんなに軽便な猿股も出来なくなってしまった。もう疲れきった私達は、何もかもがメンドくさくなってしまっている。

十四円九州へ送った。

「わし達ゃ三畳でよかけん、六畳は誰ぞに貸さんかい。」

かしま、かしま、かしま、私はとても嬉しくなって、子供のように紙にかしまと書き散らすと、鳴子坂の通りへそれを張りに出て行った。寝ても覚めても、結局は死んでしまいたい事に話が落ちるけれど、なにくそ! たまには米の五升も買いたいものだと笑う。お母さんは近所の洗い張りでもしようかと云うし、私は女給と芸者の広告がこのごろめについて仕方がない。縁側に腰をかけて日向ぼっこをしていると、黒い土の上から、モヤモヤとかげろうがのぼっている。もうじき五月だ。私の生れた五月だ。歪んだガラス戸に洗った小切れをベタベタ張っていたお母さんは、フッと思い出した様に云った。

「来年はお前の運勢はよかぞな、今年はお前もお父さんも八方塞りだからね……」

明日から、この八方塞りはどうしてゆくつもりか! 運勢もへちまもあったものじゃない。