Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
のシャアローは帽子を振って言いました。「地上のあらゆるものを食いあきたから、こんどは、空を食うつもりです。」浅草はいい処だと思うなり。灯のつき始めた浅草の大提灯の下で、私の思った事は、この二円十銭で朗かな最後をつくしましょう。と云うことだ……何だか春めかしい宵なり、線香と女の匂いが薫じて来ます。雑沓の流れ。――公園劇場の前に出てみると、水谷八重子の一座の旗の中に、別れたひとの青い旗が出ている。これは面白い。他人よりも上品にかぎの締ったあの男と私の間、すべてはお静かにお静かにと永遠に歳月が流れています。裏口からまわって、楽屋口の爺さんに尋ねてみるとつんけんした面がまえだった。廊下はいっぱい食物の皿小鉢で、お姫様も女学生も雑居のありさまなり。歪んだ硝子窓に立てかけた鏡が二ツ、何年か前の見覚えのある黒い鞄が転がっていた。
「ヤア!」
楽屋へ坐っていると、下男風な丁髷をのっけた男がはいって来た。
「随分御無沙汰しています。」
「お元気でしたか。」
浅草の真中の劇場の中で久し振りに、私は別れた男の声を聞いた。
「芝居でも見ていらっしゃい、一役すんだら私のは済むんだからお茶でも飲みましょう!」