Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
シナそばが一杯たべたく候。
雷門助六をききに行きたく候。
朝鮮でも満洲へでも働きに行きたく候。
たった一度おめもじいたしたく候。
本当にお金がほしく候。
手紙を書いてみるがどうにもならぬ。あのひとにはもうお嫁さんがあるのだ。ただ、なぐさみに歌の文句を書いてみるだけ。
夜。
眠れないので、電気をつけて、ぼろぼろのユジン・オニイルを読む。家主の大工さんが、夜どおし、ろくろをまわして、玩具のコマをつくっている。どのひとも、夜も日もなく働かねば食えない世の中なり。蚊がうるさいけれど、蚊帳のない暮しむきなので、皿におがくずを入れていぶす。へやの中がいぶる。それでも蚊がいる。丈夫な蚊だ。うるさい蚊だ。オッカサンに浴衣を買ってやりたいと思うけど仕方がない。
(八月×日)
爽やかな天気だ。まばゆいばかりの緑の十二社。池のまわりを裸馬をつれた男が通っている。馬がびろうどのような汗をかいている。しいんしいんと蝉が鳴きたてている。
氷屋の旗がびくともしない。
オッカサンも私も背中に雑貨を背負って歩いている。全く暑い。東京は暑いところだ。
新宿までの電車賃をけんやくして、鳴子坂の三好野で焼団子を五串買ってたべる。