Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
雁が鳴いている。私は本当に詩人なのであろうか? 詩は印刷機械のようにいくつでも書ける。只、むやみに書けると云うだけだ。一文にもならない。活字にもならない。そのくせ、何かをモウレツに書きたい。心がその為にはじける。毎日火事をかかえて歩いているようなものだ。
文字を並べて書く。形になっているのかどうかはぎもんだ。これが詩と云うものであろうか。――恋草を力車に七車、積みて恋うらく、わが心はも。昔のえらい額田なにがしと云う女のひとがうたった歌も出鱈目なのであろうか……。私はかいこのように熱心に糸を吐く。只、何のぎこうもなく、毎日毎日糸を吐く。胃のなかがからっぽになるまで糸を吐いて死ぬ。
一文にもならぬ事が、ふしあわせでもなければ、運の悪い者ときめてかかる事もない。希望のない航海のようなものだけれども、どこかに浮島がみえはしないかとあせるだけだ。
オニイルの鯨取りの戯曲を読んで淋しくなった。
本を読めば、本がすべてを語ってくれる。人の言葉はとらえどころがないけれども、本の中に書かれた文字は、しっかりと人の心をとらえてはなさない。
もうじき冬が来る
空がそう云った