Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
ごたごた文句を言っている人間の横ッ面をひっぱたいてやりたいと思う。御飯の煮える間に、お母さんへの手紙の中に長い事して貯めていた桃色の五十銭札五枚を入れて封をする。たった今、何と何がなかったら楽しいだろうと空想して来ると、五円の間代が馬鹿らしくなってきた。二畳で五円である。一日働いて米が二升きれて平均六十銭だ。又前のようにカフエーに逆もどりでもしようかしらともおもい、幾度も幾度も、水をくぐって、私と一緒に疲れきっている壁の銘仙の着物を見ていると、全く味気なくなって来る。何も御座無く候だ。あぶないぞ! あぶないぞ! あぶない不精者故、バクレツダンを持たしたら、喜んでそこら辺へ投げつけるだろう。こんな女が一人うじうじ生きているよりも、いっそ早く、真二ツになって死んでしまいたい。熱い御飯の上に、昨夜の秋刀魚を伏兵線にして、ムシャリと頬ばると、生きている事もまんざらではない。沢庵を買った古新聞に、北海道にはまだ何万町歩と云う荒地があると書いてある。ああそう云う未開の地に私達の、ユウトピヤが出来たら愉快だろうと思うなり。鳩ぽっぽ鳩ぽっぽと云う唄が出来るかも知れない。