Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
年をとった眼鏡の男の方が、お前は十七かと尋ねる。笑いたくもないのに笑ってみせる。ここのところが自分でも何ともいやらしい。
夕飯を八時頃食べる。いかの煮つけを食べながら、あのひとはいまごろ、何を食べているのだろうかと哀れになって来る。欠点のない立派なひとにも考えられる。お互いの気まずさは別れて幾日もしないうちに消えてきれいになるものだ。惚々とするような手紙でも書いて、ほんの少しの為替でも入れてやりたいような気がして来る。
一時のかんばん過ぎにも客があった。
勝美さんはすっかり酔っぱらって、何処から私は来たのやら、何時また何処へかえるやらと妙な唄をうたっている。狭い店の中は煙草の煙でもうもう。流しや花売りが何度も這入って来る。わあっと狂人のように叫びたくなって来る。勝美さんは酔って火鉢の中へ、焼飯をあけている。油のいぶる厭な匂いがする。
かえり二時半。
今夜はお爺さんはいないかわりに子供づれの夫婦者が寝ている。収入三円八十銭也。足袋がまっくろで気持ちが悪い。
豆ランプを引きよせて読書。ますます眠れない。
みんなが単純なことを書かなければならぬ。いかにして、ピータア・セミョノヴィッチが、マリイ・イワノヴナと結婚したか、それだけで充分です。