Classici giapponesi con furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Leggi 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.031 caratteri · 84 schermate
谷
楢渡のとこの崖はまっ赤でした。
それにひどく深くて急でしたからのぞいて見ると全くくるくるするのでした。
谷底には水もなんにもなくてただ青い梢と白樺などの幹が短く見えるだけでした。
向う側もやっぱりこっち側と同じようでその毒々しく赤い崖には横に五本の灰いろの太い線が入っていました。ぎざぎざになって赤い土から喰み出していたのです。それは昔山の方から流れて走って来て又火山灰に埋もれた五層の古い熔岩流だったのです。
崖のこっち側と向う側と昔は続いていたのでしょうがいつかの時代に裂けるか罅れるかしたのでしょう。霧のあるときは谷の底はまっ白でなんにも見えませんでした。
私がはじめてそこへ行ったのはたしか尋常三年生か四年生のころです。ずうっと下の方の野原でたった一人野葡萄を喰べていましたら馬番の理助が欝金の切れを首に巻いて木炭の空俵をしょって大股に通りかかったのでした。そして私を見てずいぶんな高声で言ったのです。
「おいおい、どこからこぼれて此処らへ落ちた? さらわれるぞ。蕈のうんと出来る処へ連れてってやろうか。お前なんかには持てない位蕈のある処へ連れてってやろうか。