Classici giapponesi con furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Leggi 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.031 caratteri · 84 schermate
二十六夜
*
旧暦の六月二十四日の晩でした。
北上川の水は黒の寒天よりももっとなめらかにすべり獅子鼻は微かな星のあかりの底にまっくろに突き出ていました。
獅子鼻の上の松林は、もちろんもちろん、まっ黒でしたがそれでも林の中に入って行きますと、その脚の長い松の木の高い梢が、一本一本空の天の川や、星座にすかし出されて見えていました。
松かさだか鳥だかわからない黒いものがたくさんその梢にとまっているようでした。
そして林の底の萱の葉は夏の夜の雫をもうポトポト落して居りました。
その松林のずうっとずうっと高い処で誰かゴホゴホ唱えています。
「爾の時に疾翔大力、爾迦夷に告げて曰く、諦に聴け、諦に聴け、善くこれを思念せよ、我今汝に、梟鵄諸の悪禽、離苦解脱の道を述べん、と。
爾迦夷、則ち、両翼を開張し、虔しく頸を垂れて、座を離れ、低く飛揚して、疾翔大力を讃嘆すること三匝にして、徐に座に復し、拝跪して唯願うらく、疾翔大力、疾翔大力、ただ我等が為に、これを説きたまえ。ただ我等が為に、これを説き給えと。
疾翔大力、微笑して、金色の円光を以て頭に被れるに、その光、遍く一座を照し、諸鳥歓喜充満せり。