Classici giapponesi con furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.076 caratteri · 256 schermate
その遺骨は青森県の十和田湖畔の自然岩の下に葬られている。強い信仰と理性とに引きしまった彼女の顔容は、おごそかなほど美しかった。彼女は夫と並んで、その背には一人子の照子を背負っていた。そしていつも貧しい人の群れにまじって歩いていた。ある時は月島の長屋住居をし、ある時は一膳めしやに一食をとっていた。栗色の大理石で彫ったようなのが彼女であった。
宗教家ではないが、愛国婦人会の建設者奥村五百子も立派な容貌をもっていた。彼女が会を設立した意味は今日ほど無意義なものではなかった。彼女は幼いころから愛国の士と交わっていたので、彼女の血は愛国の熱に燃えていたのである。彼女は尋常一様の家婦としてはすごされないほど骨がありすぎた。彼女は筑紫の千代の松原近き寺院の娘に生れたが、父は近衛公の血をひいていて、父兄ともに愛国の士であったゆえ、彼女も幼時から女らしいことを好まず、危い使いなどをしたりした。しかし一たん彼女は夫を迎えると、貞淑温良な、忠実な妻であった。彼女の夫は煎茶を売りにゆくに河を渡って、あやまって売ものを濡してしまうと、山の中にはいって終日、茶を乾しながら書籍を読みふけっていて、やくにたたなくなった茶がらを背負って、一銭もなしで家に帰って来たりした。