Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんろう

新郎

太宰 治

Leggi 新郎 (しんろう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6625 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

塩からいのは、僕は、いやなんだ。」頑固に言い張るのだ。まずしいものを褒めるのは、いい気持だ。

けれども時々、失敗する事がある。

「今夜は? そうか、何も無いか。こういう夜もまた一興だ。工夫しよう。そうだ、海苔茶漬にしよう。粋なものなんだ。海苔を出してくれ。」最も簡略のおかずのつもりで海苔を所望したのだが、しくじった。

「無いのよ。」家の者は、間の悪そうな顔をしている。「このごろ海苔は、どこの店にも無いのです。へんですねえ。私は買物は、下手なほうではなかったのですけど、このごろは、肉もおさかなも、なんにも買えませんので、市場で買物籠さげて立ったまま泣きべそを掻く事があります。」したたかに、しょげている。

私は自分の頓馬を恥じた。海苔が無いとは知らなかった。おそるおそる、

「梅干があるかい?」

「ございます。」

二人とも、ほっとした。

「我慢するんだ。なんでもないじゃないか。米と野菜さえあれば、人間は結構生きていけるものだ。日本は、これからよくなるんだ。どんどんよくなるんだ。いま、僕たちがじっと我慢して居りさえすれば、日本は必ず成功するのだ。僕は信じているのだ。