Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゃくしょこくばなし

新釈諸国噺

太宰 治

Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate

Aozora Bunko

によいしょ、よいしょとすさまじい角力の稽古。父母は嫁の里の者たちに面目なく背中にびっしょり冷汗をかいて、

「まだ子供です。ごらんのとおりの子供です。お見のがしを。」と言うのだが、見たところ、どうしてなかなか子供ではない。四十くらいの親爺に見える。嫁の里の者たちは、あっけにとられて、

「でも、あんな髭をはやして分別顔でりきんでいるさまは、石川五右衛門の釜うでを思い出させます。」と率直な感想を述べ、とんでもない男に娘をやったと顔を見合せて溜息をついた。

才兵衛はその夜お嫁を隣室に追いやり、間の襖に念入りに固くしんばり棒をして、花嫁がしくしく泣き出すと大声で、

「うるさい!」と呶鳴り、「お師匠の鰐口様がいつかおっしゃった。夫婦が仲良くすると、あたら男盛りも、腕の力が抜ける、とおっしゃった。お前も角力取の女房ではないか。それくらいの事を知らないでどうする。わしは女ぎらいだ。摩利支天に願掛けて、わしは一生、女に近寄らないつもりなのだ。馬鹿者め。めそめそしてないで、早くそっちへ蒲団敷いて寝ろ!」

花嫁は恐怖のあまり失神して、家中が上を下への大騒ぎになり、嫁の里の者たちはその夜のうちに、鬼が来た鬼が来たと半狂乱で泣き叫ぶ娘を駕籠に乗せて、里へ連れ戻った。