Classici giapponesi con furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate
母に先立たれ、いままた父に捨てられ、八重は人心地も無く泣きに泣いて、やがて覚悟を極め、青い顔を挙げて一言、
「鞠、死のう。」
「はい。」
と答えて二人、しずかに立ち上った時、戞々たる馬蹄の響きが聞えて、
「待て、待てえ!」と野田武蔵のたのもしい蛮声。
馬から降りて金内の屍に頭を垂れ、
「えい、つまらない事になった。ようし、こうなったら、人魚の論もくそも無い。武蔵は怒った。本当に怒った。怒った時の武蔵には理窟も何も無いのだ。道理にはずれていようが何であろうが、そんな事はかまわない。人魚なんて問題じゃない。そんなものはあったって無くったって同じ事だ。いまはただ憎い奴を一刀両断に切り捨てるまでだ。こら、漁師、馬を貸せ。この二人の娘さんが乗るのだ。早く捜して来い!」と八つ当りに呶鳴り散らし、勢いあまって、八重と鞠を、はったと睨み、
「その泣き顔が気に食わぬ。かたきのいるのが、わからんか。これからすぐ馬で城下に引返し、百右衛門の屋敷に躍り込み、首級を挙げて、金内殿にお見せしないと武士の娘とは言わせぬぞ。めそめそするな!」
「百右衛門殿というと、」召使いの鞠は、ひそかにうなずき進み出て、「あの青崎、百右衛門殿の事でしょうか。